1型・2型色覚の遺伝
日本人の場合発生頻度は男子の約5%、女子の約0.2%となっています。
男子の5%というのは20人に1人ですので、小学校の1学級を40人として半数が男子とすると、平均して1学級に1人は色覚異常の子がいる計算になります。 L錐体とM錐体の遺伝子(DNA)はX染色体の長い方の腕に乗っています。それぞれ独立したDNAがあり、つまりL錐体のDNAとM錐体のDNAは独立しています。
L錐体のDNAに異常があると、1型2色覚か1型3色覚になります。M錐体の場合は2型2色覚か2型3色覚になります。
色覚異常の遺伝形式はX染色体劣性遺伝(X-linked recessive inheritance)ですから、男子の場合はX染色体が1個しかないので異常DNAがあると色覚異常が表面に現れますが、女子の場合ではもう1個のX染色体が正常であれば、正常として表面に現れます。
このような女子を遺伝的保因者といいます。異常DNAが2つそろうと色覚異常となります。
3型色覚の遺伝
上記までの1型2型とは全く異なり、常染色体優性遺伝(autosomal dominant inheritance)です。両親のどちらかが3型色覚異常であれば、性別にかかわらず50%の確率で色覚異常が表面に現れます。非常に稀で、黒人や黄色人種より白人に多いといわれています。