色覚異常とは

名称について

色覚異常(color vision defect)のことを以前は「色盲」や「色弱」と呼んでいましたが、色に対して《盲》という誤解が生まれ、差別的な印象を与えてしまうためこれらの言葉を使うことは少なくなりました。→色覚異常の用語辞典
色覚異常というと、色が全く認識できないというイメージがありますが、白黒の世界なわけではありません。実際に色の判別が困難な人はごく少数で、大半が色を判別しづらいという軽度な症状です。

色覚異常の分類

色覚異常は大きくふたつに分けられ、遺伝などが原因で生まれつき色覚異常を持っている 「先天色覚異常(congenital color vision defect)」と、視神経や脳、網膜などの病気やけがなどが原因となり起こる「後天色覚異常(acquired color vision defect)」に分けられます。


色覚異常
先天色覚異常後天色覚異常
1色覚杆体1色覚色に対する感覚がまったくないため、風景がモノクロ写真のように見えていると考えられている。10~20万人に1人の割合で非常にまれな病気。色覚だけでなく視力も悪い。網膜病変、緑内障、白内障などが原因となる場合が多く、加齢でも異常を示す。
錐体1色覚1色しか認識できないため、色の区別ができない。L、M型は視力は良いが、S型は視力も悪く、杆体1色覚とよく似ている。
2色覚LMS錐体のうち、ひとつが機能しない。
異常3色覚LMS錐体のうち、ひとつの機能が正常と異なる。

人が色を判別する際に重要なのが赤、緑、青の3つの要素です。それらが認識できると一般的に正常な色覚を得られるとされています。

赤緑色覚異常

先天色覚異常の症例として最も多いのは、医学的には不正確な表現になりますが、わかりやすくいうと条件によって赤と緑の見分けがつきにくい「赤緑色覚異常」です。
簡単に言うと、赤の識別がしにくい場合には1型色覚、緑の識別がしにくい場合には2型色覚と分類されます。

青黄色覚異常

後天色覚異常で多いのは青と黄色を感じにくい「青黄色覚異常」です。医学的には3型色覚と呼ばれます。